美風庵だより

幻の花散りぬ一輪冬日の中

久しぶりに会ってみると

23日、或るひとから話があるとのことだったので博多駅に出ました。
辞めることにしたと宣言する彼の顔を見ていると、もう悩んでいる気配もなかったので、慰留はしませんでした。
企業さんは失業保険があって、常に人材が流動することが前提です。しかし、公務員制度というものは不思議なもので、失業保険がありません。基本的には新卒一括採用かつ終身雇用の日本型労働制度の典型で、途中ではがれおちる人間のやり直しに冷たい制度です。
とはいえ、赤貧がおもうに、途中ではがれおちても意外と人生はやっていけます。むしろ、新しい空気を吸い、違う環境にはいることで、いかに自分が錆びついているかを認識でき、健康になれます。
弁当チェーンのフランチャイズ経営者に転身したり、コンサル業に転職したり、資格をとって先輩の税理士事務所に世話になったり、はたまた県庁やほかの市役所に転職したり、20年、いろいろなケースを見てきました。けっしてすべてが成功事例というわけではありませんが、極端な死亡事例には、生活困窮な赤貧(つまり「自分」)以外まだ出会っていませんから、あまり恐れるに足らない気がします。
むしろ問題は組織の側で、曲がりなりにも十数年勤めた中堅どころの層がどんどん辞めて痩せていけば、運営に支障がでます。いちおう組織としての最低限は回っていくでしょうが、それ以上の進展は、あらたな世代が育つまで厳しくなります。
ただし、ある都市銀行の合併で旧A行、旧B行、合併後採用の3本立ての号俸表があったという話をきいたことがあります。そのひとは、コアの人材以外は辞めてもらい、出身行対立が起きにくい合併後採用組から課長職が出る年齢になるまで、たすき掛けでなんとなくしのいだという話をされておられました。
それを考えると、中堅層だのなんだのと考えず、はやめに旧世代がはがれおちていったほうが、短期的には戦力不足であっても、長期的にはよいのかもしれません。