或るネットニュースでこの本が取り上げられていたので、興味をもって読みました。新聞業界のおかれている現状について理解するには良い本だと思います。
コネ入社の比率が一般企業より高く、給与も高く、既得権を持ち、過去に大儲けしたビジネスモデルがある、まさに「老舗」となった新聞社が、これからのデジタル化時代を生き残れるかどうか。
過去の新聞社の倒産事例を紹介し、ニューヨークタイムズのデジタル化への挑戦を取り上げる……ところまでは、いいのです。結果として著者が出してきた答えが、再生ファンドによる立て直し、というもの。そういう回答くらいしか、もう、ないのだろうと思います。
「老人ホームで嫌われるのは元学者と元記者」……そうならないように気を付けないといけません。
あと、意外だったのは熊日とかのほうが西日本新聞より経営体力の評価が高いこと。たしかに西日本新聞は主戦場の福岡県で、他のブロック紙と比較しても圧倒的シェアを構築できてません(全国紙の比重が高い)から、そうなるのはうっすらと想像できましたが、ここまでとは……。