松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

豚肉とささみの味噌漬

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以前ここにも書いたのですが、2013年製の自家製味噌がまだまだ余っています。メイラード反応がすすんで真っ黒になり、米味噌だったはずなのに、八丁味噌のような色合いになってしまっています。
ごぼうや大根をメインにした味噌汁にしてもじつに美味いのですが、それだけでは減ってくれません。というわけで、豚肉とささみを買ってきて味噌漬けにすることにしました。
味噌漬は一般的に、味噌をみりんで伸ばして肉を漬け込みます。しかし、ベースが5年物の米味噌となると酸味が強く出るため、みりんで甘めに仕上げるのは向きません。どちらかと言えば赤だしを意識しつつ味付けしないと、味が決まらないのです。
ジップロックに味噌と少量の核酸系調味料(いわゆるハイミー)と日本酒を加えて、そこに豚肉を入れます。もみ込んだら、冷蔵庫に入れて寝かせます。同様に、ささみも寝かせます。
漬け込む時間は食べかたによります。ごはんのおかずにするなら長時間寝かせないほうが美味しくいただけます。逆に、焼きあがったら小さめに刻み、酒のおつまみにするのであれば、最低でも一晩寝かせたほうが美味しくいただけます。
ジップロックごと写真を撮ってみましたが、真っ黒すぎてなにがなんだか……。
長期間寝かせた味噌は、コクがある代わりに酸味も感じます。乳酸発酵がすすんでいるためです。この酸味はうっすらと感じる程度であればコクを補強してくれるのですが、あまりに表に出すぎると、好みが分かれてしまいます。酸味を上手に隠す方法として、若い味噌と合わせたり、だしを濃い目にとったりする手法がむかしからあります。赤貧は、手っ取り早いため、核酸系調味料(ハイミーなど)を少量加えるようにしています。
むかしのお年寄りが、漬物に味の素をがんがん振りかけていたのと理屈は同じです。ひとは旨みを感じると酸味を感じにくくなります。