- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2018/04/27
- メディア: Kindle版
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「「ん」をひけば、世界にはなにも残らない」という文章で終わるこの小説、iPhoneで読んでいたのですが、だいたい世界から6〜7割の言葉が消えるまで、違和感なく読めるのにびっくりしてしまいます。作家は必死になって言い換えの言葉を探し、読み手も、ほんとうはこの言葉を使いたかったのだろう、と考えながら読みすすむ。ところどころで婉曲すぎて意味がつかめなくなり、それを手繰り戻すのも楽しい。
この小説の前に発表された「虚人たち」や「虚航船団」も、どうにかして電子版化してほしいものです。こういうアタマを使う小説は、紙で毎日持ち歩いて少しずつ読むより、iPhoneでちょこちょこ読み進めるほうが、適しています。