松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

近眼すぎる政治家

https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20180627-00087067/
二階幹事長は、体制側の人間としては正しい。
彼の支持基盤である自民党、しかも確実に選挙に行く年金受給層(とその予備軍)的には、人口が常に拡大し続け、内需は拡大し続け、若くて安くこき使える労働者が多くないと成り立たない。
そういう意味では、いまの日本国を背負っている側としては、むしろ首相のほうがぬるい発言をしたともいえる。
で。問題は。
少子高齢化労働人口が減り、男性だけでは働き手が足りないから女性も働け、というのが本質で、それをうまい具合にのせておだてるのがウーマンリブ男女共同参画の考え方である。露骨に国家が優秀な働き手不足だから女性も働け、そのためのおぜん立てはしてやる、とは本音であっても言いにくい。
この幹事長、現体制を維持するためには、どうあがこうと女性を労働力として使わざるを得ないし、2馬力で働いてさらに育児と介護まで背負う女性がどこにいるのかという基本を忘れている。専業主婦という逃げ道をふさぐために、ずっと税制をいじったりしてきたのではなかったか。どうやらそういうこともお忘れらしい。この幹事長は、いまあなたが為政者としてふるまっている現体制のなかでも女性が社会保険料を納め、自らの支持者にも少なからず居るだろう年金生活者の生活を支えているという視点がない。
たぶん身近に、そういう女性が居ないのだろう。
前々から思うのだが、保育所や幼稚園の増設だけでなく、例えばベビーシッターなど、どんどん育児に関する政策を拡充していくべきなのだ。例えば介護については、曲がりなりにも介護保険で、家庭の労働ではなく、社会が負担する産業だと位置づけなおすことができた。
保育所、幼稚園に限らず、育児に関しても同様に家庭の労働ではなく、社会が負担する産業だと位置づけなおし、独身・既婚とわず全員から保険料を徴収するしくみをつくるべきで、それがこの幹事長でひらめくか……は、暗澹たる気分になる。それでも、若者は自民党を支持するんだよなあ……。
かといって、野党の代議士が批判する姿をテレビで見ていると、単なる国家の転覆だけをねらった発言ばかりで、こちらも暗澹たる気持ちになる。まともなのはおらんのか。まともなのは。