美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

広島交響楽団第380回定期演奏会



5月25日、午後から休暇をいただき、秋山さんの演奏会を聴きに広島に出ました。新幹線に乗るのも久しぶりです。
今回演奏される曲は、最初の「キャンディード」以外、実演に接したことがない曲ばかりでした。
指揮者としてのバーンスタインは、本人の独白めいたものをやたらと盛り込むクセがあり、どんな曲も演歌にしてしまう傾向があって、あまり好きではありませんでした。演歌という言い方に問題があるなら、感情に流れすぎる、と言い換えても良いかもしれません。
作曲家としてのバーンスタインも同様で、個人の告白が、大オーケストラの音響とともに響きます。深刻な告白が、映画音楽(敢えてハリウッドとは申しませんが)ばりの音響を伴って鳴り響く。このミスマッチ感(よりソフトに言うなら「二面性」)を生理的に受け入れられるかどうかが、バーンスタインの曲に馴染めるかどうかのカギだと言えるでしょう。
後半の「不安の時代」は、ビュクナーさんのピアノも、秋山さんの指揮も、両方とも曲の音響と歌の豊かさを描くことに重点をおいていて、バーンスタインの深刻さに過剰に立ち入りません。どっぷりとハマりたいファンには物足らないかもしれませんが、私を含めてほとんどのお客さんにとっては、正解かもしれません。自作自演盤よりもドライな分だけ、入り込みやすい(聴きやすい)のです。
次回、広響・秋山さんでバーンスタインを取り上げることがあるなら、「不安の時代」以上の問題作である「カディッシュ」を、ぜひ取り上げて欲しいと思います。こちらのほうが、今日の路線には向いている気がします。

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http://hirokyo.or.jp/concert/list/7623.html
 
指揮:秋山和慶
ヴァイオリン:佐久間聡一
ピアノ:サラ・デイヴィス・ヴュクナー*
曲目:Leonard Bernstein’s 100th anniversary
バーンスタイン:「キャンディード」序曲
バーンスタイン:セレナード(独奏ヴァイオリン、弦楽、ハープと打楽器のための)
バーンスタイン交響曲第2番「不安の時代」*

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