美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

お焼香と沈香


手前ふたつが、日ごろ使っている焼香である。
奥が、インドネシア産の沈香の刻みと角割である。もともと沈香の刻みを焚いていたのだが、数年前からまず角割が新規で手に入らなくなり、次に刻みもどんどん値上がりしはじめた。現地では人工栽培も行われているらしいが、品質的にまだまだ追いつかず、高騰しているらしい。
インドネシア産の沈香の刻みは、桐箱に入れて数百グラム所有している。とは言ったものの、新規で手に入らないものを、毎日少しずつとはいえ、減らしていくのは気がひける。まだ40年は生きるつもりなのだから。
 
というわけで、数年前から沈香を減らさなくてすむよう、焼香を焚きはじめた。白檀と甘松がメインのものと、安い沈香と白檀、丁字を配合したものの2種類を使い分けているが、やはり、いくら安くても沈香の純粋な刻みや、角割にはかなわない。香りの持続力が違う。
ただ、白檀が配合されているため、香りに軽さもあって、その点は、沈香とまた違う楽しみとなっている。
 
しかし、すっかり20年前とは様変わりしてしまった。オークションサイトを見ると、どの程度の品質のものかわからないのに、伽羅ともなるとグラム5万円以上で取引されている。伽羅や羅国のかたまりをいくつか所有しているが、単純にあてはめると、入手したときの金額のかるく7倍近い値段で取引されている勘定になる。えらい時代になったものだ。