松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

「ばらの騎士」

或るオペラ歌手の人生を、(遡りつつ)引退を決意した時期、婚約を破棄してイタリア留学した時期、イタリアで恋に落ちた時期の3つに焦点をあてて描いた連作です。オペラですので、オーケストラに合唱に4面舞台のちゃんとしたホールにと、とんでもないお金がかかるのはわかるけれど、誰か映像化したらいい視聴率とれそうな気がするのですが。佐賀真琴を演じる歌手が居ないか……。
 
しかし、佐賀真琴が実の娘、坂井亜里沙に伯母さまと呼ばせるあたりは、山田五十鈴さんと嵯峨三智子さんの話あたりが元ネタなんだろうなあ。たぶん。実の母親なオペラ歌手に憧れて育ち、4年一緒に暮らしていても、伯母さまとしか呼ばなかったのが、最後の共演のあと「お母さん」と呼びかけるあたりは、お約束とはいえ、なかなかの手腕だと思うのだが。