- 作者: 小松左京,谷甲州
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/10/12
- メディア: Kindle版
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小松左京さんの作品は奇想天外であっても、なんでそれが実現できるのかの説明はすごかった。沈没した元日本のうえにメガフロートを建設してもう一度祖国を取り戻そうという試みはいい。ただ、その背景となるカネがどこから出てくるのか、ここまで見事に無視されると、本当に小松左京さんが監修したのか?と疑いたくなってくる。
国土をうしない、国民をうしなった国家が、どこからカネを絞り出すのか。誰がスポンサーになるのか。誰が考えても真っ先に疑問を抱く点を無視して第二部って、あんまりだろうと思うのだが。最終章で宇宙に進出するのはいい。もう一回訊く。どこからそのカネが?
ガンデンポタン(チベット亡命政府)や領土を失った元国家「マルタ騎士団」(現在は国連にオブザーバ参加)、自由ベトナム臨時政府(アメリカにある南ベトナム亡命政権)が、宇宙開発だのメガフロートだの、考えて実行できるわけもないのに……。
まさに時間の無駄。妄想。荒唐無稽。荒唐無稽を納得させるのがSFだろうに、荒唐無稽をそのまま垂れ流してどうする。