松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

第7回 関西の音楽大学オーケストラ・フェスティバルIN京都コンサートホール




昨年、「復活」を聴きました。今年もこのイベントを聴きたくなり、滞在を調整して、24日、京都へ向かいました。
 
京都コンサートホールは音響にクセがあるというのが、昨年の第一印象でした。ここ最近、指揮者や演奏家の動きを観察するため、ステージ脇に陣取ることが多いのですが、ラッパやホルンの反射音がとんでもなくズレて聞こえてくる。どこをどう反射したのか、思わずホールの中をキョロキョロしてしまいます。まず、バルコニー席が配置上引っ込んでいるうえに、天井がそこまで高くないのに音の降り注ぎ感が薄い。しかも忘れたころにやってくる残響。立見が出るくらい満席で音が消えるまでの時間があれだけあれば、計測上(いわゆる検収ってやつ)は合格なんだろうけど、音の飛びかたがおかしい。
 
と、1年ぶりの京都コンサートホールでしたが、さすがに2回目ともなると、慣れもあり「ん?」とキョロキョロする回数も減りました。
 
https://youtu.be/5sOji_vpCjo
レスピーギのローマ三部作は、秋山さんで実演を聴くのは一体何度目かと考えてしまうくらい聴いています。洗足学園の学生さんたちとの演奏も簡単にyoutubeで見ることができます。
 
基本的にこのyoutubeで視聴できる演奏のとおりなのですが、より教育的配慮が多い指揮ぶりでした。秋山さんに食いついていくできる学生の熱気に巻き込まれ、遅れまいと必死な学生がついていく。正直、混成団とはいえ、その差がすごい。その両者をきちんとにらみながら、きっちりと体よく聴ける音楽にしていく秋山さんにあらためて感心することしきり。
最後の盛り上がりは、ちょっとしたプロの演奏よりも感激しました。
もっと自信をもって爆発すりゃいいのに、と思ったけれども、そこをしないのが秋山さんなのです。その点は、ちょっとだけ残念でもありましたが。
 
前半のモツレクは、もともとモーツァルトのよい聴衆ではありませんし、自分でわざわざモーツァルトは選んで聴かないのであまりコメントのしようがありませんが、非常にやさしい柔らかさのある演奏でした。レスピーギの2曲よりも、学生の力量を見るうえでは、こちらのほうが上だったかもしれません。

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http://www.kyotoconcerthall.org/calendar/business.php#key15331
http://www.kyotoconcerthall.org/get-resimg.php?path=/var/www/kyotoconcerthall.org/contents/fc_kconcert_hall/flyer/15331.jpg
 
[指揮]秋山和慶
[独唱・管弦楽・合唱(参加大学)]
大阪音楽大学大阪教育大学大阪芸術大学京都市立芸術大学
神戸女学院大学相愛大学同志社女子大学武庫川女子大学
モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626
レスピーギ交響詩「ローマの噴水」P.106、交響詩「ローマの松」P.141

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