美風庵だより

風にちる 花のゆくえは 知らねども

「立原正秋」

立原正秋(新潮文庫)

立原正秋(新潮文庫)

高井有一さんの「立原正秋」が電子版になっていた。ダウンロードして久しぶりに読み進めているのだが、高井有一さんのじっくり語る文体のうまさには舌を巻くしかない。このことを書くと「これは昭和40年代の文体だ。これを褒めるようじゃ最近のものは読めてないだろう」と言われたことがある。たしかにそのとおりなのだ。
そう考えると、自分の許容範囲の狭さに唖然とする。柔軟性が足りないというか、視野が狭いというか。
しかし、中身の素晴らしさに、文体が合っている。どうしても枚数稼ぎに走りたがる自分自身への戒めとして、この簡潔さは見習わなければならない。最近、仕事で作文する時間が増えたのだが「書きすぎる」傾向があるらしいのだ。気をつけねば。