美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

新編忠臣蔵

吉川英治さんの忠臣蔵を久しぶりに読み返してみる。
絶対的な善人と正義が居ないのが、この忠臣蔵の特徴。
吉良上野介は、つけとどけに目がない男だが、領主としては儲け(私財)を投じて塩田開発・地域振興・防災対策をどんどん行った名君。
かたや、浅野内匠頭も立派。
隅々まで、立派なひとばかりなのだ。
私本太平記」や「三国志」とくらべて、人気が出ないのは、登場人物が、良識ある立派なひとばかりだからだという気がする。
ただ、忠臣蔵とはなにか、と言われたら、ほかの誰のものより、真っ先にまとまっていて読みやすい、この吉川作品だという気がするのだ。