美風庵だより

幻の花散りぬ一輪冬日の中

「冬のかたみに」

冬のかたみに (1975年)

冬のかたみに (1975年)

便利な時代になったもので、iPhone電子書籍を読むのが、電車やバスに乗ったときの時間の過ごしかたになってしまった。
博多から広島・横川までの間、立原正秋さんの「冬のかたみに」を読む。自伝的作品ということになっているが、ほとんどが創作であるのは、既にあきらかとなっている。
そのことは措くとして、もし創作であったとしても、こう在りたかった姿を感じ、そこに共感を見いだすことは不可能ではない。
むしろ、美しく純化された姿とも言えて、読んでいくうちに、本人の理想に引きずり込まれていく。