松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

広島交響楽団〜シベリウス生誕150周年シンフォニー全曲シリーズ〜Ⅳ

交響曲第6番をお目当てに、広響の演奏会に行って参りました。出張先から、新幹線に乗って18時45分開演の演奏会に、10分前に滑り込めるのですから、流石です。新幹線は偉大ですね。
このシベリウスの交響曲全曲演奏会、本当は全部聴いてみたかったんですが、交通費がね……。というわけで、どうしても聞き逃せないと思った今回だけ頑張ってみたわけです。
今、帰りの新幹線の中で入力しているわけですが、最も興味深く聴かせていただいたのは「春の歌」でした。こんな名曲だったんですね。10分ほどの曲でしたが、これを聴けただけで交通費の価値はあったと思います。交響曲2曲も、良かったけれど、6番に関しては、秋山さんの意図するものが音になってたかな、と思う瞬間が第1楽章でちら、と見えてしまいまして、なにかふくらみに欠けたところから、第3楽章あたりで盛り返してきたような感じでした。透明感の先にある歌を、歌い込まれる前に、曲のほうが終わってしまったような、どこか不完全燃焼なものが残った気がします。
7番は、「春の歌」で調子が上がってきたのをそのまま引き継いできた演奏で、こちらは、終わるのがもったいないと素直に感じてしまいました。短いですよね。シベリウスは傑作ほど、短い。
もっと、この時間が続けばいいのに。
先月の第九は、どうしても過去に九響で聴いた時との比較になってしまうので、あともう一歩の部分をキツめに評価せざるをえなかったわけですが、今日のは過去の刷り込みがなかったせいか、本当に興味深く聴くことが出来ました。まあ、あんまりおカネないので、たぶん次の広響は来年3月の「英雄の生涯」になると思います。これも期待して、チケットの発売を待つことにします。
最後に、今回はじめてのホールだったのですが、意外とクセのない感じで、悪くありませんでした。道挟んで似たようなホール2つもあって、不思議な街だと思いましたけど、性格の違うもの同士、両立してるのかもしれません。

秋山和慶のディスカバリー・シリーズ
〜シベリウス生誕150周年シンフォニー全曲シリーズ〜Ⅳ
指揮
秋山和慶
曲目
シベリウス
交響曲第6番ニ短調Op.104
春の歌Op.16
交響曲第7番ハ長調Op.105