松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

なんと!(゜゜)

伽羅永寿 バラ詰 170g

伽羅永寿 バラ詰 170g

いつもお盆と正月はこの線香を實家に買つていきます。もう10年以上に成ります。
「よくまあ3000圓もする線香買つてくるねえ」と親戚に言はれて「世の中にはもつと高いのがあるんだぜ」と話のネタにしようとHP檢索してみたら……。
 
http://plaza.rakuten.co.jp/hozukien/diary/201403040000/
http://www.nipponkodo.co.jp/shopping/html/products/list.php?category_id=110010
 
日本香堂の最上級品がごそつと廢番に成つとる(つд⊂)
 
なんのことかわからないひとも居るかもしれませんが、だいたいクルマで言ふとクラウンから上のグレード全部廢止みたいな感じです。噂では、原料昂騰で數年前から赤字だつたらしいんですけどね。
おぢちやんも、最上級の「富嶽」だけは持つてます。もう10年以上昔に買つたものですが。サンプル(製品の端切れ)をいただく機會があつて、冷やかし半分で火をつけてビックリしました。
で、3日惱んで、買はうと。
伽羅なのか何なのかはわかりませんが、華やかさのなかに、澁さと凛とした空氣があつて、ぢつと前に居るだけで身が引き締まる。伽羅大觀とか(松榮堂さんの)正覺では味はへない雰圍氣がある。
じつは、も一寸安いグレード(荷葉とか極品大觀とか)のはうが、香りに華やかさがあります。甘くて、雅やかつてかうなんだらうな、つて云ふ絢爛豪華さがある。こつちのはうが好きなひとも多いでせうが、そのあとの枯れた境地と云ふか、突き拔けたあとの香り。
元旦しか使はないので殆どそのまま今も殘つてますし、おそらく餘命考へたら死ぬまでに使ひ切ることはないでせう。神棚に若水を供へて、そのあとに焚く富嶽の香り……ホント幸せです。これから香の世界に足を踏み入れる若者は、これを味はふことが出來ないままお迎へが來るわけですね。餘程原料事情が變化しない限り。
さきに齢をとるのも惡いもんぢやないんだなあ。