松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

改めて比べてみると

国語大辞典

国語大辞典

 
手元に電子版、書籍版、幾つかの國語辭典があるのだが、今だにも尤も頼りに成るのは、じつはこの小學館國語大辭典だつたりする。
たしかに、初版が1982年なので、中身は古い。どうしても大辭林などで補ひつつ使用することに成るが、言葉の解釋や、元來の意味などを掴むには、未だに一册本でこれを超える國語辭典にはお目にかかつたことがない。裏を返すと、大辭林など最新の國語辭典は流行語・新語を追ひすぎて、肝腎の語釋がどんどん薄つぺらくなつてゐる氣がする。むろん、コンサイス版の國語辭典ならそれでもいいのだ。實用辭典に語源語誌を求める人は居ない。だが、このサイズの辭書に成ると、矢張りそこが重要ではないか。大辭泉でもさうだが、そこが拔け落ちてゐる(パソコンやwikipediaをチラ見し過ぎてゐる)氣がするのは、私だけではなからう。
 
日本国語大辞典 〔精選版〕 1 (日本国語大辞典〔精選版〕)
日本国語大辞典 (2)
精選版 日本国語大辞典 (第3巻)
これの後繼が、「精撰版日本國語大辭典」と云ふことに成るのだらうが、全3卷と云ふだけで置き場所も選ぶし、だいいち全部で45,000圓と云ふ、貧しいおぢさんには頭がクラクラする代物。まあ、日中であれば徒歩2分の市立圖書館に1セット置いてあるので、それを見れば濟む話ではあるから、さすがに欲しいとは思はないが。
 
小學館國語大辭典は既に廢版と成つてゐるし、その電子版な「bookshelf2.0」も、1998年の商品で、もう中古でもなかなか見かけない状態に成つてゐる。
まあ、無理やり手に入れようと思へば、
http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_4099067459
と云ふ、百科事典と合册に成つたものが今でも入手可能だけれど、肝腎の百科事典が2004年から更新されてゐないのが難點。とは云へ、當たり前のことだけれど解説文はまとまつてゐて讀みやすく、流行を追ふ使ひ方をしなければ、今でも全く色あせず使へる。