松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

梅の実をとりに

雨が降りやんだのを見計らって、実家の山がある小石原に行きました。
実家には何本か梅の木がありますが、祖父が紅花がつく、いわゆる「花梅」ばっかり植えてたせいで、「豊後」という品種の「実梅」の木は、じつはこの1本しかなかったりします。「花梅」でもいちおう梅酒や梅干しになるんですが、皮が固くていい香りがでなかったり、身がすぐに崩れてしまったりするので、あまりおススメしません。
まあ、「実梅(実をとる梅)」と「花梅(鑑賞用)」とわざわざ品種もあるくらいだしね(^-^;
先週もここにいとこと来たんですが、もっと小さくて、かじってもまだ酸味もろくにないような状態でした。今日もまず一粒かじってみましたが、やっと太ってきて、酸味がぎりぎりのってきたかな、ってところです。
梅酒は、種が幼いほうがいいのでこのくらいでOKなんですけど、醤油漬けに使うには、本当はあと2,3日、お日様の下で太らせるのがいいんです。でも、平日に堂々とさぼって梅もぎなんて出来ませんから(*_*)今日もいで帰らないとしょうがない。
 
青梅はかじらないほうがいいとよく言われます。種のなかに青酸配糖体ってのが含まれてるからだそうです。
で、この物質、種が幼い、まだ柔らかいときが一番多い。
熟す前に食われるのを防ぐためだと言われます。
黄色くなるといい香りがするのは、この青酸配糖体ってのが分解してあの香りの成分になるから。
つまり、「食って〜食べごろですう〜(*^。^*)」と梅の実が誘っているわけですね。
で、かじって種はどっかにプッと捨てられて、それで子孫をなるだけ広範囲に残せる、と。
 
梅酒の場合、青梅の段階でわざとちぎって、アルコール漬けにして香りの成分に変換させます。
なので、青ければ青いほど香り高くなってよろしい。
 
醤油漬けの場合、香りもともかく、酸味がないとお話になりませんので、梅酒のピークよりも少し太って、クエン酸たっぷりになってきたころがいいわけです。
 
梅干しの場合は、熟してしまってから使います。香りより酸味と保存性が優先しますのでね。