松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

この記事を読んでて思い出したこと。

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農地法改正案、通常国会提出へ=農地貸借を原則自由化−農水省
 農水省は27日、農地の貸借を原則自由化することを柱とした農地法など関連法改正案の概要を固めた。(中略)戦後の1952年から続く農地法は耕作者自身が農地を所有する「自作農主義」の理念を明記している。この規定は削除し、利用を重視した制度に抜本的に見直す。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008112800037

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http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0138.html
http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/yamashita/19.html

上記の記事は肩を持ちすぎの感もありますが、戦後の農地改革について和田博雄が果たした役割をよく解説した文章だと思います。
 
「日本の農業問題は単に農地改革だけでは解決せず、今後は経営の合理化が直ちにプログラムにのぼると考えます」(農相時代)
「経営の問題は農地制度の改革を基礎としてその後の農政が解決すべき問題ですね。実はその仕事がその後の人に残っていたと思うんですよ。それが僕の時代にやれなかったということが非常に残念です」
「農業経営という立脚点に移し変えられた自作農はシュンペーターにいわしめるならば、企業家としての独立的、進歩的な面を十分持ちうると考える」
 
和田博雄を識ったのはおそらく高校生くらいのときですが、ああ、すごいな、と思いました。
農地改革の先にあるべきであったものを先延ばしにしてきて、結局、もうどうにもならんだろうと広い意味での関係者である私も思うような時期になって、今度は会社組織に全面丸投げとは。
偉い政治家とお役人様はなにがしたいんでしょうか。
歴史は繰り返すとはもうしますが、どうもまた現代に地主と小作農を復活させたいらしい。
なんだかなあ(´・ェ・`)